「2日連続の完敗。」そう書いてしまえば最悪の結果である。連覇に向けて、そしてその先のクライマックス・シリーズに向けて不安ばかりがたまっていきそうな、そんな印象を受ける。しかし、文字にあらわしたときほど状況は悪くない。今日の先発は左のエース、チェン。確かに、「今日で決める」と勝ちに行った試合だった。今日に関して言えばゴンザレスから1安打しか奪えず、完敗。だが、昨日の試合は今日のものとは別の試合である。言いかえれば、今日は勝ちに行った試合だったが、昨日は違った。勝ちだけに、そして連覇の達成だけにこだわった試合でなかったことは先発投手を見れば分かる。マジックが増えたわけではない。「1」という数字はそのままで、優勝に大手がかかっていることは確かな事実なのだ。誰が優勢か?それはヤクルトでも巨人でもなく、明らかに中日である。『最後の一つを勝つ。それだけしか考えていない。でも、そんなに簡単にその1つを勝てるとは思っていないからね』という谷繁の言葉。『トータルでしか考えてない。慌てる必要はない』という落合監督らしい一言。これは強がりでも何でもなく、「本音」そのものだろう。数字上の優勢が絶対とは言えないが、「後1つ勝てば優勝」という余裕はまだまだある。個人的には、「あ~やばい!優勝できなかったらどうしよう!」などとあわてる必要は全くないと考えている。一方で、課題がないとは言わない。昨日は滅多にないゲーム展開とはいえ沢村に完投された。今日はゴンザレスに1安打に封じられた。クライマックスシリーズでは当然この2人+内海が中日打線に立ち向かってくるだろう。そう考えると、やはり打っておきたかった気持ちは確かにある。しかし、クライマックスの舞台は名古屋ドームだ。吉見もチェンも本拠地では良いピッチングを披露している(チェンは防御率1.70、吉見は1.21)。「打てないが完璧に抑えられる」という今シーズンの中日の戦い方で勝てる可能性は十分にある。それはともかく、明日の試合、そしてその先の3試合を全力で戦い、その「1勝」をまずは手にしなくてはならない。慌てるのは、連覇を達成してからでも遅くないだろう。
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